さておかれる冗談

脚本家でイラストレーターのシーズン野田が綴る「活字ラジオ」。たまに映画を酷評し気を紛らわす悪趣味を披露してます。http://nigaoolong.com/index.html

でかけます!ライスタつのだ

これからでかけます!今日はけっこう涼しいのでラッキー!

恩田陸の「球形の季節」読み終わりました。
東北の閉鎖的な村で起こる不可思議な出来事を描くお話なのですが、現実から地続きになっているもう一つの世界を、幻想ではなくはっきりと提示するという世界観はデイヴィッドリンチや村上春樹と近いところがあるとおもいました。そんなところがあるのは当たり前かのように、現実的に、安っぽい感じを出さずに描く筆致はさすがと思います。物語としてはいろいろと片手落ちな感じがある感がありますが。でも、わかる人にはわかるそっち側の世界があるってのは、かなり真実味があるよね。フィクションだとしても、「わかるわかる」って感覚を呼び起こしてくれるかどうかって、かなり作品の質を左右するよね。
そういう意味では、昨日深夜に観た「ミスト」って映画はあんまりだったなあ。あれはラストシーンが悪いんじゃなくて、そこに至るまでの話が悪いんだよね。そしてCGがしょぼいのはいたすぎるわ。ギャグ映画はじゃないのにCGがしょぼいと、どう観ていいのかわからん。出だしは雰囲気があってすごくよかったんだけどな。聖書がどうとか登場人物がしゃべってるけど、聖書を読んでればわかる部分もある映画なんかな?だとしたら聖書の設定に引っ張られて人物描写がおざなりすぎだとおもいます。だいぶB級です。原作者のスティーブンキングの好みなのかもしれませんが。

監督が「ショーシャンクの空に」のダラボン先生だと信じてはいません。でもダラボン先生はグリーンマイルも撮ってるし、やはりダラボン先生かもしれません。