酷評シネマ「タクシードライバー」
ナズナを食べるシャズナ
という駄洒落を思いつき、イザム以外のメンバーを想像する事ができず、ノッペラボウがムシャムシャと草を食い散らかしているイメージが頭から拭えない、シーズン野田です。
今回も映画を酷評します。
さて今回酷評するのは「タクシードライバー」。
知らない人はいないと思います。
伝説の外人こと、マーティン・スコセッシ監督の名作です。
今更ながらではりますが、実は観た事がなかったのです。
これはお恥ずかしい。。。
けれども、カミングアウトできてすっきりしました。
野郎どもの会話の中ではよく出る映画の一つだったりするので、観たフリで会話をするのは正直しんどかったのです。
全て「ちげーねぇ」と言っていればいいのですが、たまにカマをかけてくるいじわるな奴もいるわけです。
「なんだよそのモヒカン、タクシードライバーのデニーロじゃないんだから!」
「ちげーねぇ」
「タクシードライバーのデニーロみたいに、腕に銃でも仕込んでおけよ」
「ちげーねぇ」
「タクシードライバーのデニーロみたいに、スプーンで壁に穴をあけて脱獄しろよ」
「ちげーねぇ」
「……あれ、これ、ショーシャンクの空になんだけども?」
「…そうだよ、知ってるよ。タクシードライバーが脱獄するはずないもんね。駅前で終電逃したお客を待ってなきゃいけないんだからね!」
「……ふ〜ん」
というような、シチュエーションに幾度となく出くわすので、ここらで一回観ておいて、観たからってすぐにタクシードライバーの話ばかりすると「あいつ、ようやく観やがったな」と逆に今まで知ったかしていたのがバレるパターンもありえるので、平然を装い、機が熟したらしれっと乗っかるやつをやろうと思った次第です。
スコセッシの映画って実はほとんど観た事がありません。
「ハスラー2」くらいかな。
なのでよくわからないのですが、「タクシードライバー」を観て、ひとつだけ言いたい事があります。
マーティン・スコセッシ、あなたは映画をやめなさい!
おそらく、「スコセ、お前、ぜってー映画やったほうがいいって」
と言われまくっている人生だと思うので、ここまではっきり「やめて」と言ったのは自分か横山弁護士くらいじゃないでしょうか。
なぜか。
まず、「タクシードライバー」というタイトルから想像した話が全然ちがうのです。
タクシードライバーっていうもんだから、駅前で終電のがした客を捕まえるときのコツや、ワンメーターしか乗らないお客に対しての本音など、タクシーに関しての様々なエピソードが出てくる、タクシー業界のあれこれを描いた映画かと思いきや、ただ主人公の職業の設定がタクシードライバーってだけっておいおい。
しかも、この主人公、頭がちょっとおかしいんです。
変人です。
だからタイトルは「変なタクシードライバー」にするべきです。
それか、「こんなタクシードライバーいやだ!」とか。
そうすれば、タクシー業界の話というよりも、個人にフォーカスした映画だということで、いらない誤解を防ぐ事ができます。
とにかくタイトルが適当すぎる。
それと、この映画の最大の難点(にして、魅力でもあるのかもしれませんが)は、デニーロの頭がヅラにしか見えない事です。
何でヅラをかぶっているのか?
何かの伏線なのか?
気になって仕方なかったのですが、ヅラ屋にメンテナンスに行くシーンもなければ、仲間がひそひそしているシーンもなし。
う〜ん、誰か早くつっこんであげて!!
……と言う気持ちが落着いてきた頃に、ようやく、そのヅラの正体がわかります。
デニーロが、モヒカンになるのです。
つまり、順撮りができず、モヒカンのシーンから撮影したもんだから、モヒカンを隠すために、ヅラで対応するしかなかっただけなのです。
あれは、カツラながら、カツラではないと言う、時代劇のカツラの意味合いと全く同じだったのです。
恥ずかしい。
まるでチングリ返しをされている気分です。
時代劇を見て「なんでみんなヅラをかぶってんだ?みんな禿げてるのかな」と、テイを知らない、天然のクソバカ野郎か、もしくはコンピューター野郎と一緒の発言を、さもありなんとしていたのです。
こんな辱めを受けたのは、小五の時に太っているからという理由で、運動会の組体操で太鼓の合図を出す役割を与えられた時以来です。
ドン!と太鼓を叩くたびに、胸の脂肪が揺れ動きます。
ということで、僕にとってはなんとも苦い映画になってしまいました。
タクシーがあったら、金があるだけ遠くに行きたい、そんな気分です。
まったく、大村崑みたいな顔しやがって!87点!!
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