さておかれる冗談

脚本家でイラストレーターのシーズン野田が綴る「活字ラジオ」。たまに映画を酷評し気を紛らわす悪趣味を披露してます。http://nigaoolong.com/index.html

酷評シネマ「地獄でなぜ悪い」

役所広司役所別所哲也と会う。

 

という駄洒落を思いつき、なんで、冒頭、必ず駄洒落から入らなければならないのかと、自分で勝手にもうけた縛りで勝手に苦しんでいるシーズン野田です。

もうこれ以上苦しみたくないのに、どうしても自分を追いこんでしまいます。

 



さて、今回このブログでやり玉にあげるのは、

「どのシオン、あのシオン、このシオン?いいえ、ソノシオンです」

でおなじみの園子温監督の地獄でなぜ悪い

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「別に。悪くないし」

 

 

と思わずいいたくなる、沢尻エリカだと思うのですが、この作品、小生の周囲はではとにかく評判がよろしい。

 

「笑えた」や、「とにかく笑える」や、「笑えるし、面白い」や「今回はただのギャグで笑えるよ」など、実に様々な感想が耳に入ってきました。

 

本当は公開中に観に行きたかったのですが、当時僕はホームレスだったので映画なんか観に行ったら仲間にフルボッコにされるので絶対にいけなかったのです。

ということで、いつも賞味期限切れのお弁当をくれる優しい店長のいる最寄りのツタヤに早速向かい、新作、ラスト一本を借りてきました。

 

ラスト一本…。こりゃ、期待度あがっちまうな!



実は、園子温監督作品。正直あまり観てません。

自転車吐息」と「自殺サークル」と「紀子の食卓」くらいかな。あ、あと「愛のむき出し」と、それと、「冷たい熱帯魚」「うつしみ」も観たな。

まぁけど、そんくらい。

どれもこれも行き過ぎた悪ふざけ。難しいこと言ってお茶を濁して、暴力やらセックスやら、血のりやらで人をなんとなく観た気にさせる、クソバカな映画ばかり。。。

 

ですが、エネルギーが画面から溢れ出し、ハゲた頭に毛が生えそうです。


で、今回の映画を観てボカァ確信したね。

この監督は根本では映画なんてどうでもいいと思っている!!

全てをバカにしているというかね、もし映画が好きな自分がいるのだとしたら、それをも小馬鹿にして映画作ってますね。

 

劇中に登場する、映画の神を信じる男のバカさ加減や、ヤクザがすぐにカメラ回して録音までやって「音は大丈夫」とかしれっと言ってる感じとか、映画なんて誰でも撮れると言わんばかり。

 

最後、登場人物が死んでいくシーンで、子供時代のフラッシュを挿入する辺りなんて、普通ココで挿入すれば泣けるでしょ?俺知ってるの!。っていう感覚をあえてはずしてやったりして、まぁせこい。

 

けど、映画ってこういう感じでしょ?こうしておけばいいんでしょ?みたいな雰囲気が全体的に流れているから単発のギャグではなく何かしらのテーマを感じるもんだから、許せるし笑える。登場人物が極端に戯画化されているというのもあるけれど。

 

パロディシーンのせいもあるだろうけれど、マニュアル読みながらやったらこうなりました、みたいな開き直りと、それをやれちゃう自信が実に潔いです。

 

まぁ、こんなの園監督以外がやったら、なめんなよってなるのかな。

 

この監督の作品は、オンビートとオフビートが変なバランスで入れ混ざっているんだけれど、今回は特にそれがギャグとしてとても効果的に作用している。

 

ノリが演劇的と言うか、ネクラなんだけれど妙にポップ。

 

演劇の人が映画を撮るとなんだかもたついて見える部分をうまくギミックで映像的に省略し痛快に話をすすめるもんだから、泥臭いんだけど、よどみが少ない。

 

これがおそらく今回の映画の一番の魅力ですね。

 

だから、嫌悪感がほとんどない。

 

園監督が苦手な人でもけっこう楽しめるんじゃないか。

 

僕はやっぱり、この映画、サイコー!!といいたくなる。

 

いつも最後の方で妙に辛気くさくなって、映画の体を保とうとする意識が、今回はそこまでなく、最後までつっぱしって、バカで終わるし。

 

多分、そういう映画を撮りながらストレス貯まってたのかもしれない。


まぁ確実にすべっている箇所があるのだけれど、それは友近の加減の難しさかな。

友近ってもともと戯画化されたようなミ二芝居ばかりするから、園監督の映画的なリアリティの中に置かれると、ぶつかり合って魅力が半減する。

友近をヤクザの嫁に配役するのは、どうかと。別に、うまいんだけれど。


その他役者は本当にいい感じで、星野源なんて、本当に映画の撮影中に巻き込まれたんじゃないかっていうくらい、普通の兄ちゃんで、耳の形がへんてこりんなところがまたやけにリアリティがあったりして、普通に応援したくなるしね。

 

長谷川博己の子供時代なんて、本当に良く似てるし、そういうところは感心する。

つっこみどころがありまくるけど、そんなの百も承知っていう映画だから、言ったら負けみたいなところがあって、

 

まぁだからか、感想書きながら、まったく筆が乗らない。

 

なんなら役者陣が時折、半笑いで演技してるからね。

 

二階堂ふみなんか結構半笑いだし、エロいだけで演技はけっこう適当な感じ。

 

けれどもそれがいい!となってしまうのオフビート感。

 

別に書く事ない映画です。さっきからけっこう無理して書いてます。

 

 

ということで点数は低めの45点!!

 

 

 

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