酷評シネマ「凶悪」
大杉蓮が余らせた、多すぎのレンガ
という駄洒落を思いついた事により、俺はまだまだ正常だと思えるシーズン野田です。
あまりに忙しく、というか、心に余裕がなく、犬のウンコを踏んでも
「犬のウンコが落ちてるなんて、最近にしては風流だねぇ」
と、まるで意に介す事なく、時間が過ぎ去って行くばかりのシーズン野田でもあります。
ブログが更新できません。
ほぼ日なんて、宣っていた今は昔がなつかしいです。
「お前もたまにはいいこというな」
に対して
「たまには、は余計だってーの!」
という、お決まりのセリフも返せない程です。
さて、アンナカ…じゃなくて、そんな中、再びシーズンシアターを上映しました。
(↑我が家のプロジェクターでの上映なり)
今回の映画は「凶悪」です。
今更って感じだけど。
ピエール瀧とリリーフランキーという業界人が、極悪非道な登場人物を怪演していることで話題の映画です。
ピエール瀧が「ぶっこむぞからな!」と言う度に、石野卓球が登場するのかと期待していたのですが、結局ノーピンポンでした(←なにがなんだか分からな人はイリュージョンが足りないよ)。
しかし、この二人、本当にこういうヤツなんだろうなぁ、と思わせる程の悪党っぷりで、特にリリーフランキーに対しては、ココリコミラクルタイプに出ていた時に抱いていた、何か凄いお言葉をいいたげな、クソつまらないインテリ親父という印象を払拭するほどに、輝いておりました。
主人公の山田孝之はそんなに美味しい役ではないけれど、相変わらず「髭が濃い」という特技を生かした役作りは健在です。
そして、なによりもPFF出身として、ついつい過剰反応してしまう「群青いろ」のお二人が出ている事が胸をときめかします。
群青いろという二人組の映画ユニットですが、まぁ細かい説明を省くけれど、言ってしまいえば自主映画から業界に食い込んだ凄い人たちで、とにかく暗い。
どんなに大ヒットしそうな明るい映画でも、彼らが出て来た瞬間、興行収入が5億円くらい落ちそうな雰囲気を放っています。
そのくらい、気持ちがよくない青年達です。
この飲み屋やってんの?みたいな感じの暗さで、映画界の節電ブームと言われる程です。
この映画もこの二人のおかげで、数割増で暗い。。。
ピエール瀧が「ぶっこむぞ!」と言っていたのは、この二人の事ですね。
こういう、ピエール瀧とか、リリーフランキーとか、群青色のお二人とか、どこにも属さないフリーランスな人たちって、敵に回したくないよね。
己の薄っぺらさが見透かされそうじゃない?
ぶっ込まれそうじゃない?
人として相当めんどくさいだろうし、あまり批判の対象にならない感じもあるよね。
起用する側も、そういうのあるんじゃないかな。
知りませんけど。
さて、
この作品は実話を元にしているんだって。
こういうのって「実際、こうだったし…」という制作者の開き直りからか、映画的な説明が省かれる場合がありますよね。
普通だったら、心情を吐露させたることで起こった出来事の意味を説明させたりするけど、別になかったり、逆にとんとんとゲームのように、話が進む。
そういうのは、「本当にあった」ということが、下に敷かれているから、うまく飲み込めたりするのだけれど、逆にだからこそ、あまりにドラマなテンプレートが見えたりすると、それはそれで違和感が発生しますね。
ビッツにベンツのエンブレム級の、とってつけた感じ。
事件を追うあまりに、家庭をないがしろにする主人公の葛藤エピソードなんだけど、その件が登場するたび、「どうでもいいわその話!」と我に返ってしまうのです。
で、ここはやっぱり、映画で足した部分なんだって。
半沢直樹を見ている時も、上戸彩が出てくる度に、「ソフトバンクのCM」が始まったとイスから転げ落ちたけれど、そこも原作にはないあとから足した部分なんだって。
二度と足すな!
「さて、問題はヒロインをどう入れるかですね」
っていう所から会議が始まる無思考さが業界に蔓延してますね。
自分も脚本を出す段階でプロデューサーによく言われる一つでもあります。
女がいないね、とね。。。
いつまで寅さんやっとるんじゃぼけなすが!!
兵隊さんが原節子見てひゅーひゅー言ってる時代じゃないんだよ。
テレビつければ、雑誌開けば可愛い子ばっかり溢れてるじゃないか。
かわいいこみたければ、そちらを見ていればよろしい!
という、まさかのおくりびとの登場に、我が乱文を呪う。
まぁ、「凶悪」なかなか面白い映画です。
↓凶悪みたくなたらおして。