酷評シネマ『her/世界でひとつの彼女』
みなさん、お久しぶりです。
お久しぶりでない人は、この件はうまく流していただければと思います。
まぁ、このブログを通したコミニュケーションは久しぶりなので、あまり例外はないかと思われます。
5兆人を超える閲覧数を超える当ブログですが、更新しなういちに8人に減ってしまいましたので、そろそろ更新をしようと試みた次第です。
彼女と別れてからというもの、映画館に行くという自分の文化がまるっきりなくなり、もっぱら家でDVDという、体が青と黄色のツートンカラーになるほどのTUTAYA漬け状態の日々だったのですが、シャブ漬け野郎が大麻で中毒を克服するがよろしく、映画には映画ということで、朝早起きして久々に映画館に行ってきました。
繁忙です。
繁るほどの、忙しさと書きます。
ブログなんか書いてる場合じゃありません。
ましてや映画なんて見ている余裕もありません。
<え?映画館に行くの?まじ?さっき寝たばっかりじゃん?>と叩き起こされた我が体が不満を言って来たので「君って本当に愉快だ」と返事したら、たまたま目の前にいたピエロが振り向き様「わかってるんですけど」と言ってきたのが記憶に新しいです。
端から見たらただの独り言ですからね。
これがピエロでなく口裂女だったら殺されていた所でした。
久々の映画館は、夏休みなのか、祝日なのか、うまい棒の大きさが若干小さくなった事実を知らない平和な時代の小学生や、リリアンでルーズソックスをつくる女子高生、昨晩の情事を持て余し、映画を見ながらもう一試合ヤリそうな勢いのカップルや、遠い昔にエロを置き忘れた老夫婦など、様々な人種で賑わっており、
懐中電灯のかわりにチュロスを頭に巻き付ける八墓村な自分は完全に浮いていました。
さて、今回みた映画は
です。
「はぁ?」と喧嘩を売られてると勘違いしヤンキーが切れていましたが、なかなか目を引くタイトルです。(サブタイトルとかださいからやめて欲しいですけど)。
他にも、「渇き」や「オール・ユー・ニード・イズ・キル」、「思い出のマロニーちゃん」など観たい映画がてんこ盛りだったのですが、
監督が、「かいじゅうたいちのいるところ」や「マルコヴィッチの穴」「アダプテーション」などでお馴染みの、スケボーの事しか頭になさそうなあのスパイク・ジョーンズですから、もしかしたら「ハァ…ハァ」言ってるだけの変態映画かもしれませんと思いつつ、こりゃあみるしかないわけです。
それに、ただ今苦悩しながら映画の脚本を執筆中がゆえに、アカデミー脚本賞を撮ったこの作品を鑑賞すれば、何かいい刺激になるかも知れないと思ったわけです。
さて、この映画。舞台は近未来で、超高性能な人工知能OSと主人公が恋に落ちるという内容。
耳に補聴器みたいのをつけて、みんなぶつぶつ独り言をいいながら、OSと会話しています。
siriの凄いヤツみたいなイメージね。
「苛つき」や「嫉妬」という感情を覚え、どんどん進化して一つの人格となって行く。様々なやりとりをするうちに、お互い惹かれ合って、唯一無二の存在になり、しまいにゃ声でセックスしたりして、本当に「ハァ…ハァ」言ってるだけの変態映画の可能性が急浮上。
この映画、編集でフラッシュバックを多用するのですが、
所々奥さんとの良かった思い出フラッシュバックが入り、奥さん役のルーニーマーラーが登場し、さらにそこから自分の脳内で「ドラゴンタトゥーの女」で丸裸だったルーニーマーラーの乳首がフラッシュバックするというマイセルフな入れ子構造になってしまい、とたん映画がメタ的になり難しく感じられ、激しいに眠気に襲われました。
「おい。金払ってんだ、絶対に寝るなよ」と言いながら太ももを殴ると、
<おいおい、太ももだけ起きてても仕方ないぜ>と返して来たので
「君って本当に愉快だ」と、口にする自分は端から見たらいきなりこの映画に影響を受けてる<はぁ?なやつ>にうつった事でしょう。
さて、そんなやりとりも虚しく、中盤爆睡しました。
起きたら知らないヤツと主人公がすげー揉めてて映画も終盤にさしかかっていました。
まさに「はぁ?」となり、「何?何が起こったのさ?スパイクさん!!」と叫びそうになりました。
映画館で寝たのは、中学生の時に小池と観に行ったガメラ2以来のことで、起きたらウルフルズが呑気にエンディングを歌っていたという衝撃が今でも脳裏に焼き付いています。
何とも言えない「絶望感」と「すっきり感」がハイブリットで存在している状況です。
<だから言っただろう>と得意げに言って来た自分の体に「君って本当に不愉快だ」と返したのは言うまでもありません。
正直、寝不足で見る映画ではなかったです。
なんかCMみたいな絵作りだし、スーパーマリオ(服も赤いし)みたいな髭の親父が独り言を言いながらウロウロしているだけの映画なので開始5分でヤバかった。
眠気をごまかすことができず、うまく入り込めませんでした。
ただ、終盤(起きた後)でOSとの連絡が途絶えて、走り回るマリオがもの凄いこけかたをするのですが、なかなかのこけっぷりで、普通に凄いと思いました。
周りのエキストラも芝居関係なく本気で「大丈夫ですか?」と言っていたであろうと思われる程のずっこけ方で、思わず画面内にチャーリー浜を探してしまいました。
「新しい靴をかわなくちゃ」での中山美穂のこけかたも見事ですが、こちらも負けずに見事です。
それを拝める事が出来ただけでも、1800円払った価値があると言うものです、と言い聞かせてる。
途中みてないから、映画の評価が出来ませんが、終わり方はなかなか良かった。
以下ネタバレあり。
結局、OSの進化が凄すぎて、人間なんかと付き合ってられるか!って去ってくんです。
言葉が追いつかなくなる。
言葉の世界ではなく、意識の領域に高次元化し、実は主人公と会話してる時に同時に8000人くらいと会話していて、恋人は600人を超えると言う、これが物質的世界だったら、とんでもないヤリマンなわけですから、そりゃ主人公のマリオも怒るわけです。
「君、ヤリマンやがな!」
と、関西人ならそのようにつっこむ事でしょう。
別にコレって、人間の世界にも起こる事でね。
相手に好きな人が出来て、新しい世界や言葉を知って次のステージに行っちゃってね、同時に付き合っている人もいてね。もう俺なんかと会話してくれなくなる、ってだけのことで。
そんなよくある話なんだけど、ただ同時に付き合っている数の差が圧倒的に違うってだけでちょっとした衝撃になるんですね。
この、程度の差と極論の用い方ってのが、まぁ監督らしいセンスだと思うわけで、僕も非常に気にしているところだったりします。
血が出る事実に忠実であればあるほど、どれだけ出るかは奔放にしておく。
ちょっとカッターで指切っただけなのに、尋常でないくらい血が噴き出すみたいな。
自分はそういう表現なり演出が好きだったりするので、なんかいいオチだなぁと思ったのですが、まぁ寝てたから何も言う資格はないですね。
映画館を出て、若干我が体と険悪なムードになり、お互い言葉少なげだったのですが、途中で独り言をぶつぶつ言っているホームレスを見かけ、このまま険悪でもまぁいいかと思う、我が名はシーズン野田也。
↓中盤何が起こったのか、みた人おせーて下さい。