髪の毛ボーボープロジェクト
今から反語を使います。
これほどまでに、ブログを怠ったことはあるだろうか、いやある。
あるんかい!!
突然の反語宣言を、二行目で一気に覆すことでお馴染みのシーズン野田です。
お久しぶりです。
映画を見まくるプロジェクト、
「ミマクロードバンダム」を立ち上げたものの、映画を見るだけでは飽き足らず、
最近は、映画を撮るということで、色々準備をしております。
見ることなら誰でも出来ますが、撮る事はなかなかできませんからね。
今回、自分は脚本担当なのですが、監督がやたら厳しく
「もしこのシナリオを製本した暁には、そのシナリオでお前の喉元をかき切ってくれるわ!やりなおし!」
と、罵声を浴びさせられる毎日です。
内容は言えないのですが、ホラー映画です。
ということで、ブログなんて書いてられません。
さて、それとは平行して、ただ今自分が挑戦しているのが、とある発毛プロジェクトです。
正直、今まで頭皮に関してあまり気を使う事がなかったのですが、もう「いい歳」になり、そろそろ何かしらの対応策を考えなければ手遅れになると、思い至りました。
その手の詳しい人に、
「使えばたちまちラプンツェル級に毛がボーボーになるシャンプーってない?」
を聞き回ったのですが、全員一様に
「俺の頭を見てから聞きな」
と突き返されるのがオチで、中には
「アナが流行っている時に、ラプンツェルの話をするな」
とまったくとんちんかんな怒りをぶつけられることもありました。
ノンシリコンがいいらしい、とか、ノンシリコンは逆によくない、とか、スカルプがいいらしい、とか、スカルプは逆によくない、とか、玉木宏はかっこいいらしい、とか、逆にお茶漬け、とか言った具合に、毎回プラマイゼロを繰り返すことばかりです。
まぁ玉木宏は逆じゃなくお茶漬けですが、結局、人間1パターンしか試せません。
パラレルワールドを覗くことは不可能であり、ノンシリコンにして禿げたとて、
「ノンシリコンじゃなかったら、もっと禿げてた」
と言う理論で、いかにも効いていると錯覚することが関の山。
ということで行き着いたのが、「シャンプーなんてプププのプープロジェクト」です。
端的に言うと、シャンプーを一切使わずにお湯のみで洗髪するという全てをひっくり返した、発毛理論です。
湯シャン、脱シャン、というやつです。
一見、自分好みのただの極論のように思えますが、自分の中ではこの理論が全てに勝りました。
それは「ホームレスにハゲはいない」という、まるで根拠のなさそうな言説に紐づきます。
我々は
「泣く子はいね〜か〜シャンプーをしね〜と、皮脂が取れずに毛が抜けやすくなるぞ〜」
と子供の頃からなまハゲ様に脅され続け、ハゲる未来に恐れをなして、毎日シャンプーをする生活を余儀なくされていました。
なのに、面白い程に、ハゲで日本は溢れ返っています。
つるぴか大国、虚栄の日本です。
これでも
「シャンプーをしていなかったら、もっと禿げてた」
とでも、言えるのでしょうか?
これ以上禿げるって、もう、脳みそ丸出しになるレベルですよ。
そんなシャンプーセンプーを嘲笑うかのように、ボーボーなのが、ホームレスの皆さんなのです。
ホームレスと言うのは、その生活を想像する限り
「ろくに風呂にも入らない、洗髪という概念を最後の家に置き忘れた人たち」
です。
つまり、(おそらく偏見も含めて)シャンプーなどとは無縁の生活であるわけです。
おやおや、おかしいじゃないですか。
なんでシャンプーしてない人の方が、してる人より毛があるんですかって。
「禿げているホームレスもいるだろう」と言う声が聞こえてきそうですが、ホームレスを記号化してみるとどうしたって「ボーボー」というオノマトペがつきまとうはずです。
おとぼけ課長や、フリテン君でお馴染みの植田まさしが描くホームレスなんて、「ボーボーにしておけばいい」と言った具合に本当にひどいありさまです。
つまり、ホームレスはボーボーのボーボボーなのです!!
ふと思い出したのですが、(うろ覚えですが)昔読んだ村上春樹の『ねじ巻き鳥クロニクル』の中でもこの理論は登場します。
(確か)シャンプー会社とかつら会社の癒着の話があり、シャンプーはあえて「ハゲ散らかす」ような成分でできており、その結果カツラメーカーが儲ける仕組みになっているはずであると。
だって、ホームレスはボーボーじゃん。
と。
別にそれが「シャンプーなんてプププのプープロジェクト」の直接的な原因ではないのですが、村上の中でももっとも偉い村上春樹大先生もシャンプーを使ってない可能性が浮上し、そして彼もまたボーボーであるのです。
他にも文豪関連でいえば、
五木寛之先生もまた洗髪をしないらしく、ボーボーの勲章を恣にしています。
彼は、これまた忘れましたが、どこだったかの民族がまったく禿げていない事にヒントを得て、洗髪をすることをやめたらしいです。
自然にならい、シャンプーをやめたのです。
それに比べ、日本人は若いうちからハゲが多いと、憂いていました。
それもこれも我々は自然にならっているのではなく、広告によりすりこまれた「シャンプー絶対論」を難く信じているからではないでしょうか。
しかも、みんなでせーのでシャンプーをして、はからずも自然を汚しているのです。
我々はずっと自然に学び、文明や芸術を発展させてきました。
いまこそ自然に学び、髪の毛を発展させようではありませんか。
ホームレスと言う、地球上で最も地球に優しい人種とも言える超ロハスな人たちを見習おうではありませんか。
ボーボーの、ボーボーによる、ボーボーのため脱シャンプーなのです!
今程、私のジャーナリズム精神が、ボーボーとも燃えたことはありません。
ということで、シャンプーをやめて2ヶ月が経ちました。
最初の一週間は、正直つらいです。
とにかく頭がべたべたになります。
中華料理屋の厨房のようです。
抜け毛もあります。
けれども、いつしか皮脂は減り、髪質が変わり始めました。
もともと猫っ毛で頭がぺっちゃんこになりがちだったのですが、根本の立ち上がりが明らかに違うのです。
本数は数えたわけではないので、増えているのかわからないのですが、確実に変化をしています。
それが、いい変化なのか、もしくは悪化なのか、わかりません。
先日、そのような話を髪のケアに余念がない友人に話をしたら、まっこうから否定されました。
「ははは、それは、髪の毛の水分がなくなって、固くなっているだけだよ。固くなると抜けやすくなるよ、逆に」
そうですか。
そうかもしれません。
けれども、金もかからず、自然にもやさしいなら、禿げても続けてみる価値はあるってなもんです。
禿げたって「シャンプー使ってないから、まだこのくらいのハゲで済んだんだ」って言ってやればいいしね。