さておかれる冗談

脚本家でイラストレーターのシーズン野田が綴る「活字ラジオ」。たまに映画を酷評し気を紛らわす悪趣味を披露してます。http://nigaoolong.com/index.html

子供達を思い、我おやじになりにけり。

いい歳になりました。

 

同年代の知り合いは、家族を築き、子供がいたりなんかします。

 

メンバーも例外でありません。

 

自分に関しては、当面結婚の予定はなく、自分似の子供なんてまだまだ想像もつきませんというか、全く欲しいと思わないのですが、にしては、3人の姪っ子に、おしりを見せろとせがまれたり、絵画教室の生徒に作品を手伝えとせがまれたりと、子供に囲まれる環境にいたりします。

 

そう言う意味でマイケルジャクソンと一緒だと言えますが、先日請け負った仕事もまたわんさかと子供も関わる内容でした。

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リトルミュージカルという子供達のミュージカル劇団の映像制作です。

 

本番のオペレーションも兼ねます。

 

数回の打ち合わせの果て、結局色々と時間もないため、本番前に集中して創ると言ういつものお決まりのパターンに落着いて「じゃあ、本番前に徹夜で創る方向でいきますか」という方向性に決まり、方向性どおり、徹夜で本番を向かえました。

 

完全に徹夜、「カンテツ」というやつです。

 

完全なる徹夜を、カンテツといいますが、「(演技が)完全なる鉄也でしかない」と言う意味で、キンパチと言ってもいいかもしれません。

 

そんな「なんですかぁ〜」状態なもんだから、

「本番で寝たらどうしよう」

という不安が脳裏をよぎり、行きの電車の中で「寝てしまった時のいいわけ」を考えながら寝てしまうという、アクシデントもあり、不安を抱えながら本番に臨んだのですが、頑張る子供達を見ていたら眠気なんかふっとんでしまいました。

 

感動が目を覚まさせたのです。

 

ロボットかアンドロイドか、ミスターフローズンの名を欲しいばかりにしていた自分だったのですが、自分に住み着いていた悪魔が「ちっ」舌うちをして「こいつもただの人間か」と捨て台詞を吐いて出て行くほどに、激しく心を動かされました。

 

あのシーンはうまく出来るかな、声は大丈夫かな、おしっこはしたかな、うまくできたら親におもちゃを買ってもらう約束はかわしたのかな?

 

と自分のオペレーションはそっちのけで、観劇してました。

 

完全に見守りモードです。

 

怒られながら必死で稽古している風景を見たりして、それこそ第一回目の公演から見てるから、メンバーも凄い増えて劇団としてのがんばりに、サクセスストーリーも感じられて、そのうちに自然に愛着がわいてしまい、応援し、感動している自分がいたんだと思いますが、

赤の他人の自分がこうなのですから、マジ親なんて、

「つくって良かった、本当につくって良かったな、あの夜に」

と夫婦で手をとり感動していたことでしょう。

 

 

 

さて、確かに頑張る子供らのパフォーマンスが良かったから感動したんだとは思うのですが、それとは別に、もう完全におっさん化した自分を否定できずにもいます。

 

若い子ならブスでも可愛く感じる年代になったのです。

 

いや、ブスはブスなのですが、存在としてかわいいと思えるようになりました。

 

若い頃は美的センスが先行し、テクニック重視だったりして、全て外見で判断すくレイシストな人間でありましたが、今では、黒人を見ても"アイリスが合わせづらい"などと思う事はなく、色々な人種差別を乗り越えて来た苦労人と思えるように、なったのです。

 

あれもありだし、これもありなわけです。

 

子供のつたない演技や歌声にひやひやする部分もあるのですが、そんなもの躍動する生のエネルギーの前ではどうでもいいのです。

 

情念や情動が感じられるかどうか。

 

その一点につきます。

 

かつては創り手としての意見しか持ち合わせいなかったのだけれど、人間としてどうか、を見れるようになったんだと思います(前がひどいというだけだが)。

 

まぁそれがいいこともあれば、悪い事もあるのだとは思うので、それを揶揄しておっさん化したと言っているわけですが、子供といるとおっさんな自分を自覚すると同時に、どこか先祖返るところがあり、童心がふと出て来たりして、またこれも面白いですね。

 

子供とか容易に怒れなくなる。自分もそうだったことをありありと思い出したりしてね。

 

まぁ大人ってのはそれをわかってて怒らなきゃならないと言う何とも矛盾した生き物ですよね。

 

しかし、マクドナルドにはくだらないことで盛り上がっている若者がわんさかいるな。理解できんわ。

 

こいつら頭大丈夫か?

 

ということで、リトルミュージカルの皆様、お疲れさまでした。

 

さて、次は自分らの公演です。

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