ちょっとした日のちょっとした話
もうすぐ単独ライブがあります。
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=60510http://line.me/S/sticker/1037679
なので、
電車の中など移動の時や、入浴中、お湯を入れたカップ麺の蓋の上でPCを重し代わりにし、麺がふやけるまでのその間、動く歩道の端から端、回転寿し屋でみそ汁が運ばれてくるまでや、愛人の試着中、力士が睨み合っているそのさなか、持ってないポンタカードの提示を促され一瞬苛つくあの瞬間、野鳥の会が世界一どうでもいい勝ち負けを見極めているとき、姪っ子がウォーリーを探すときのみ黙るその静寂、愛人と出かけた最後の旅先などなどで、
隙あればネタを書いております。
けれどほとんど進みません。
その日もとあるお弁当屋で、天婦羅蕎麦をオーダーし待っているその間に、PCをひろげネタを書いていました。
すると突然、その店のおばさんが、
「お兄ちゃん、それもしかしてパソコン?パソコンていうんでしょ」
と話しかけてきたのです。
一瞬意味がわかりませんでした。
どう見てもパソコンに決まっているのです。
YES と NO で答えられる DO から始まる質問ではあったのですが、
何かしらお得な情報を与えたいという、持ち前のサービス精神が発揮され思わず、
「あ、はい。ノートパソコンです」
と答えました。
ただのパソコンではない、これはノート型であると。
持ち運べるのだと。
自分でもびっくりするくらいの、野暮な返答です。
最善を尽くしたつもりですが、あまりに混乱していたのだと思います。
もしかしたらおばさんは「細かい奴だな」とひいてしまったかもしれません。
どうにか取り戻さねばならぬと思った矢先、
「あら、すごいわねぇぇ!!」
とおばさんは目一杯の感心でぶつかってきました。
感心のブルドーザーです。
僕はどうしたらいいかわからず、そのままなぎ倒されるところをなんとかこらえて、口に出たのが、
「いや、まぁ、みんな持ってますよ」
という、またまた、最低戯曲集の中にも起こされないであろう駄台詞でした。
ですが、この後おばさんがのセリフが凄かった。
「ごめんね、なにもしらなくて」と高笑いし、こう言ったのです。
「おばさんなんて、こんなものよ」
と。
名台詞です。
本当に世のおばさんがこんなものなのかはわかりかねますが、つーか、今時ノートパソコンを知らないおばさんの方がめずらしのではないかという疑問はさておき、
石原慎太郎にババア発言の撤回を求めていた
"自分をおばさんと認められていないおばさん群"
とは真逆のスタンスを保った、じつにクールな台詞ではありませんか。
「わたしはおばさん、それ以上でも、それ以下でもない」
おばさんは、しれっとこう言ったのです。
アンパンマンの「僕の顔をお食べ」
に匹敵するインパクトがありました。
僕はなんだか負けている気がして、何かいわなければと思い
「これ、ウィンドウズじゃなくて、マックなんですよ」
とまたまた愚にもつかない事口走ってしましました。
おばさんが知るわけないのです。
ノートパソコンも見た事がないような"おばさんの中のおばさん"なのですから。
おばさんはきょとんとして、
「マック?え?マクドナルドがパソコンを作っているの?」
といいながら、地球の軌道が変わるほどに首をかしげ、僕の顔を覗き込みました。
「あ、いや」
もう何も言えません。完全にブルドーザーでなぎ倒されました。
そんな僕の様子を察してかおばさんは、またまた高笑いをし
「はははは、そんなわけないわよね。もう何も知らなくて」
と恥ずかしそうに言ったあと、こう続けました。
「おばさんなんて、こんなものよ」
二度目です。二度目のメタ認知です。
その後3回この「おばさん自認」を聞かされることになるとは、その時の自分は夢にも思っていませんでした。
もうお腹が一杯なのに、己の顔を口に詰め込んでくるアンパンマンほどやっかいなものはありません。名台詞は一度でいいのです。
ということでなかなかネタが進まないのですが、なんとか仕上げますからみなさん是非ともきてちょんまげ。
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=60510http://line.me/S/sticker/1037679
どげざでまってます!!!
http://line.me/S/sticker/1037679