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さておかれる冗談

脚本家でイラストレーターのシーズン野田が綴る「活字ラジオ」。たまに映画を酷評し気を紛らわす悪趣味を披露してます。http://nigaoolong.com/index.html

イタミじゅうぞう   シーズン野田

歯が痛い、羽賀研二

という駄洒落を思いついて、「もうないだろう」と一日を諦めたシーズン野田です。




さて、

今日は歯が痛いので、飛び入りで歯医者を予約しました。

虫歯かなぁと、全くマークしていない歯だったもので裏切られた気分です。

自分は普通の人間なので、歯医者が嫌いです。

痛いから。

同居人の原島ロビンさんは

「歯医者でのあの痛みが逆に好きなんです。生きてる感じがしませんか?」

と言っていました。

蛇にピアスか!と思わずつっこみたくなりましたが、正直羨ましい。




いつもなら予約日の前日からもう、いやでいやで、脳内で何回もシミュレーションします。

どこをつねれば、最も気が紛れるのか、いろいろつねって試してみたりするわけです。

人間に備えられた「痛い」というあの感覚が憎らしくなります。

けれども今回は、朝、出先で予約して、その日の夕方に行く事になってしまうというイレギュラー。



今日か〜!!



心の準備が全くできておらず、どこをつねればいいんだっけと、焦りながら仕事中ずっと体をつねるポイントを探していました。

ただ一つ、その事に関連して、不安があります。

前に治療中に手の甲をつねっていたら、その姿を見た歯科医が



「なんで、つねってるんだ?」



と疑問を投げかけました。

口の開いている私は答える事ができず、代わりに助手の女性の方が




「意識を分散してるんですよ」




と冷静に自分の心を代弁したのです。

それに対して、先生は






「…みーちゃった」







だって。





恥ずかしすぎるだろう!!!!!!




こんな辱めをうけたのは、小学校の頃に、好きな人をバラされて以来です。



また、つねっているところを見られたら…。。。


その恐怖が私を覆い、結局つねらずに耐えようと言う結論に至りました。




さて、この時期、白衣を着てる人は全員Dr.中松に見えるわけですが、いつものように中松はどうどうと私を診察室へ招き入れました。

口を開ける無防備な私に向かって、なに?どの歯?どの歯なの?とまるで野次馬のように覗き込んで、問題の歯を叩き始めました。




「何この歯?」
「ふぁい」
「ここ叩くと痛い?痛んだよね?」
「えっと…」
「痛くないの?」
「はい、今は」
「どういうこと?」
「いや、けど今日ずっと痛かったんですけど…」




なんと、あれほど憎らしいくらい痛かった歯が、全く痛くないのです。




普通なら、痛くなくて万々歳なのかもしれませんが、この時はさずがに、

頼む痛みよ!痛みの神よ!イタミ監督、あの世から、お怒りになられたまえ!

と心の中で叫びました。

なんならいつもより痛いくらいでいいのです。もっと歯科医の治療魂を刺激するような骨太の痛みでいいのです。

けれども、全く痛くない。。。

正直、これほどはずかしいことはありません。

大見得を切って歯が痛いと喧伝し、急遽予約し、歯医者に行ったら、「お前、何故来た?」のしらけムード。。。







何で俺はこうなんだ〜!!!







で結局噛み合わせだろうと言う結論に至りました。

なんとか名誉挽回