さておかれる冗談

脚本家でイラストレーターのシーズン野田が綴る「活字ラジオ」。たまに映画を酷評し気を紛らわす悪趣味を披露してます。http://nigaoolong.com/index.html

酷評シネマレスラー『許されざる者』     シーズン野田

最後に加わった、桑田佳祐





という駄洒落を思いついて、


桑田がいない状態ですでにサザンが結成されたとしたら、その理由は一体…、考えると夜も眠れぬシーズン野田です。




「何か、うちに入りたいっていう変なヤツがいるんだよね」



と、原坊がつれてきた桑田佳祐をみて、他のメンバーが



「冴えないヤツだな。こいつに何ができるんだよ。声もガラガラだしよ」



と、あしらっている様がありありと浮かんできます。




「お前に何ができるんだよ?」




と問われた桑田佳祐




「そうね、だいたいね」



と返し、





「だいたいじゃわかんねーんだよ!!!」






とキレられている桑田圭介が、ありありと、かつ、粛々と脳裏をよぎります。






て、映画をたくさん観まくるプロジェクト



「ミマクロード・ヴァン・ダム」



を発案したからには、ほぼ日で映画をみなければなりません。


ほぼ日といっても、「MOTHER3」を当初はロクヨンで作っておきながら、最終的にゲームボーイで出すという奇行で周りを振り回し、しまいには、「MOTHER4」は作りませんと宣言しファンをがっかりさせた、ワハハ本舗の梅垣にグラサンをかけました的な系統の顔をした、糸井重里さんとは一切関係ありません。




さて、今回の映画は許されざる者


1992年に公開されたクリント・イーストウッド監督・主演による西部劇映画『許されざる者』のリメイクである日本の時代劇映画。


ということで、



ほうほう、クリントーストウッドの役は、山田康雄亡き今、栗田貫一(以下クリカン)がやっているのかな?



という期待で借りた本作ですが、栗も柿も出てきやしねーの!!



いきなりがっかりさせてくれました。




主演はただの渡辺謙でした。

主演と言ったら、渡辺謙か、織田裕二か、ロビンウィリアムスを使えば良いと思ってんだから。

またこの人か…的な既視感は否めません。

意外な人こそが主役をやるべきだと僕は思います。

たとえば、クリカンとかね。




ただ、渡辺謙は本当に格好いいですね。




「ぽっぽや」では静かな演技で定評がありましたが、


今回は荒々しい百姓を見事に演じていました。


ぽっぽやの頃よりも髪は薄くなりましたが、若く見えるのが不思議です。




同一人物とは全く思えません。






ただこの映画の一番の見所は、



殴られてぼこぼこになった、國村隼と、拷問される柄本明の怪演です。



特に、吊るされた柄本明は、本当にただのかわいそうな百姓にしか見えません。

役者よりも百姓をやった方が成功するんじゃないの?

と、ねじれた感想を抱くほどです。




佐藤浩市も親の七光りを感じさせない、名演技だと思います。

この人はコメディもできるし、笑えるし、本当に親の七光りを感じさせません。

小泉進次郎とは違います。




「誰も知らない」では、文字通り誰も知らなかった柳楽優弥も、ひげを蓄えたアイヌの役を見事に演じており、もう立派な大人で、また一歩、なぎら健壱に近づいていました。





このように、

三谷幸喜も真っ青な豪華な役者陣で、演技がうまいってだけで、観てられる映画なのですが、問題は監督です。


おい、監督。

映画のテンポが悪すぎない!??


オール北海道ロケで、風景なんて広大で素晴らしいんだけど、それもあってかテンポが悪い気がする。

そう言えばこの監督が撮った「悪人」も、後半、風景がよくなった途端、テンポが悪くなってたきがする。


風景がよくなると、テンポが悪くなる。

風景を見せたくなるのかもしらんね。




とりあえず、俺に撮らせてみな!

15分でまとめてやるから。









そんなこんなで、点数は辛めの90/100点なり。


さぁみんなでつっこもう。

「高得点じゃねーか!やめさせてもらうわ!」