酷評シネマレスラー『ドライヴ』 シーズン野田
玉置浩二、玉金を工事中
という駄洒落を思いついて、
玉置に限った事ではなく、常に男は玉金を工事中である、とも言えるなぁ。
なんて真理をつぶやきながら、細い目で股間を見下ろすシーズン野田です。
さっそくですが、みなさんには守りたいものはありますか?
即答で「股間」と答えたあなたは空手をやっているのかな?
それとも男優さんなのかな?
見事に、空手と男優が繋がりました。
繋げようと思えば、なんでも繋がるものです。
話がそれました。
股間はそれてません。
冒頭の玉置のイラストのせいで、股間が頭から離れなくなっていますが、自分を犠牲にしてでも、守りたいものはありますか?
今日の酷評シネマレスラーで取り上げたい映画はコチラ。
「ドライヴ」です。
スタントマンと逃がし屋の二つの顔を持つドライバーの姿をクールに描き、欧米の評論家の称賛を浴びたクライム・サスペンス。
やがて、女性の愛のため、彼女を守ろうと、危険な抗争へとつきつつむ。
というストーリー。
愛する者を守るために、人を殺めていくうちに、自分の体をドライヴすることができずに、やがて狂気がめざめ、現実には帰らない決意をする主人公に心が打たれるクソカス映画です。
まず、昼はスタントマンである、という設定がいいよね。
けど夜は、昼より危ないことやってんの。
で、現実では俳優さん。
多分、昼も夜も俳優さん。
現実ではね。
まぁ現実の話はどーでもいいんだけど、この映画で僕が気に入ったのは、全体的に流れる微妙に古くさいムード。
冒頭のクレジットの色(ピンク)と書体が古くさい。
ちなみに、一緒に観ていた同居人のスーパー廃人デザイナーの原島ロビンは、この時点で、
「普通は白抜きのテキストでやるところを、あえて<ピンク>にしていることで90年代の臭いを再現してるんだね。タイポグラフィーとしてはあまりやらないところつくところに、監督のセンスを感じるよね。早く俺においつけ〜」
と、上から得意げに語っておりました。
さらに、音楽が古くさい。
デンマーク人監督ニコラス・ウィンディング・レフンは、本作で第64回カンヌ国際映画祭監督賞を受賞してるらしいですが、いいかえれば、「古くさいで賞」を受賞しているようなもんです。
主人公もやけにつよくて、短髪のスティーブンセガールの名をほしいままにして古くさい。
無表情でつきつつむ感じとか。
もうこうなると何もかも古くさく思えてきて、もっと古くさいの!もっと古くさいのこい!
って体が求め始めるんですね。
最終的には映画っていうジャンルそのものが古くさく思え初めてきて、今度は逆に古くささに対してのアレルギー反応が出初めて来ました。
ただ、エンドクレジットで気がついて少し救われたのが、クレジット全般がピンクに見えていたのは、実は、プロジェクターの色味の設定の問題であって、パソコンで観たらただの
「白抜き」だったということ。
古くささが若干減ったモノの、同居人は
「さっきあんなエラそうなこと言ったのに、こんなにも<はずかしい>、ってところで終わった映画は初めてだ」
とメロス級の赤面。
そのメロス具合もまた古くさかったな。
今の時代、デザインも映像も、なにもかもこぎれいでおしゃれで、さっぱりして、散髪したてみたいな感じがあるけど、ちょっと古くさいっていうのはいいですね。
それは手法なのかも知れないけれどね。
この古くさい運動を、フクルサスとでもよぼうかな。
しかしクソな映画でした。点数は辛口の92/100点。