さておかれる冗談

脚本家でイラストレーターのシーズン野田が綴る「活字ラジオ」。たまに映画を酷評し気を紛らわす悪趣味を披露してます。http://nigaoolong.com/index.html

拝啓 立川美術学院の皆様

お題「甘酸っぱい思い出」

 

どうも、屋根と床と壁に毎日守っていただいております、シーズン野田です。最近はあまりに恩がありすぎて、屋根と床と壁さんに背を向けて寝る事が出来ません。がしかし、寝ると必ず誰かに背を向けなければならないので、心苦しいです。寝返りが多くなりました。

 

ブログがおざなりになり、本当にすいません。

 

昼マックがなくなるというニュースに動揺していたわけではありません。

 

自分オリジナルの言説だと思っていた事を、すでにタモリが二つも言っていたことを知り、天竺へ旅に出ていた、、、というわけでもありません。

 

ちょいと色々と新しい事がはじまり、今まで第一優先にしていたブログが第五夫人に成り下がってしまいました。

 

ちょっとばかし忙しいですのです。

 

今までのような、シーズンオフのサンタクロースの様な日々とはお別れです。

 

 

 

 

 

さて、

 

先日、立川美術学院(以下、タチビorオッタチビンビン)で、にがウーロンのライブを行いました。

 

立川の名門美大予備校でございます。

 

僕らのことを知った才気あふれたオッタチビンビンの先生がたまたまアテンドして下さったのです。ありがたいお話です。

 

実はたまたまなのですが、にがウーロンのメンバーは(角田を除いて)、そこで出会ったのです(一応読者諸君がにがウーロンを知っていると言う前提でお話をします)。

 

ですので、凱旋ライブと銘打ちました。

 

普通、凱旋ライブって売れてる人がやるので、全く新しい切り口の凱旋です。

 

コント「しつつ」、上映「しつつ」、トーク「しつつ」のイベントということで

 

「しつつ」というタイトルにしました。

 

ここには「師、慎ましく」と言う意味も込められています。

 

意味は分かりません。

 

正直、僕らの講演会などに、人なんて来ないだろうと思っていました。

 

先生は「た、たくさんきますよ!(汗)」と仰っていたのですが、大方のイベントがそうであるように、人が沢山来る事はほとんどなく、行くよと言いながら、ユダのように裏切る人の方が圧倒的に多い事実を僕らは経験上熟知しておりますので、多くて『最後の晩餐』程度の人数しか集まらないだろうと邪推しておりました。

 

 

 

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 まぁ、この絵のように盛り上がればいいのですがね。

 

 

 

 

 

がしかし、

 

 

 

 

 

 

呼んで下さった先生方のがんばりのおかげもあり、

蓋を開ければ満員でした!

 

 

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中には外部から友達を連れて来てくれた方もいたようで、まさに筆舌に尽くし難い感謝でございます。

 

感謝スカウターがあれば、フリーザも驚きの数値をはじき出す事でしょう!

 

本当にありがとうございます。

 

とはいえ、僕らの事なんてもちろん誰も知らないわけです。

 

この冴えない3人組は一体だれなのか?狼藉者であることは違いないのだが、、というムードが漂う中での、自己紹介は少々つらいものがありました。

 

印籠を出す前は、スケサンとカクサンもきっと冷や汗をかいてるんだと思います。

 

 とんでもなくえぐい下ネタを言ってお茶を濁したい気持ちに駆られる中、先生の言葉が脳裏をリフレインしました。

 

 

 

「うちの子たち純粋だから、下ネタはだめですよ〜だめですよ〜だめですよ〜

 

 

いきなり嫌われるところでした。あぶないあぶない。

 

 

 

そのさなか、僕らがいつもお世話になっているコージーコーナーの中村さんが新商品のPRにやってきました!!

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右から二番目が中村さん。

 

 

考えが甘すぎるにがウーロンは、スイーツアーティストを名乗るにはもってこいであり、コージーコーナーとの親和性は抜群なのです。

 

ちょっとした、コージーコーナーコーナーです。

 

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新商品はスターウォーズとのコラボ商品ということで、商品にツッコミを入れつつ、生徒にお菓子を配りつつ、少しずつ感心を得つつ、和み度数を上げていきました。

 

おかげで、困ったら下ネタを発する自分を抑制することができました。

 

中村さんありがとうございました!!!

 

銀座コージーコーナー エピソードスイーツ

 

 

 

 

 

 

 

さて、僕らは大志を抱く生徒達に、一体何を語るべきなのか?

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この講演が決まってからずっと、自分の予備校時代を思い出し、あの時の自分に投げかけるべき言葉をずっと探していました。

 

ミュージックステーションは、タモリ、生島コンビが最強説」をふりかざしてた童貞時代の自分に。

 

何を言ってもわからないだろうし、想像以上に吸収する、そんな年頃です。

 

こうなって欲しい!なんてこともないし、こうなるな!なんてこともない。後楽園遊園地で僕と握手!なんてこともない。

 

僕自身、学生の頃から何が変わったのかと問われれば、陰毛への抵抗感がようやくなくなってきたことくらいで、ほとんど何も変わっていません。

 

ずっと馬鹿なまま、愚鈍なまま、のろまなまま、何も更新される事はなく、しおまねきのように横移動してきただけです。

 

かわいいこにはよりかわいく歳を重ねて欲しいし、童貞君には守るか捨てるか判断を迫るくらいのことで、僕らみたいな者が誰かに講演したり、介入したりする事程おこがましいことはありません。

 

百歩譲って僕らに出来ることといえば、作品を見せる事くらいです。

作品だけは、いつだって誰かに見せるために存在し続けているのです。

よく考えると、何を語ればいいのか分からないから、作品を作っているわけですしね。

 

馬鹿で、愚鈍で、まぬけで、上手に言い切る事ができないからこそ、とてつもない時間をかけて、非効率的に物語を紡いでいるのです。

 

僕は進行や司会が下手クソです。何を言ったらいいのか、分からなくなるんです。言い切って、次に進める事ができないわけです。もっと面白そうな方にいきそうなときは(あくまでも自分が)、流れを無視して突っ走ってしまいます。

 

人によっては不愉快だそうです。そりゃそうだとも思います。流れを大事にするのが人間です。けど僕はその辺がどうやら欠如しているようで、円滑にうまく、コントロールしていくような俯瞰な物言いができないようです。

 

今回の場合だと、若い未来ある、表現モンスターの卵たちに、不器用な僕たちがピンポイントで何かを語るというのはやっぱりあまり得策ではない。というか、そのような言葉は持ち合わせてない。

 

こうした方がいい、ああしたほうがいい、というよりも、あくまでも自分たちはこうしてきた、ああしてきた、としか言いようがないわけです。

今がこう言う状態ですと、耳を齧られたドラえもんのように、その不格好さで愛嬌を振りまくしかないのです。

 

社会ではどうしても言葉がもとめられることが多い。

みんながみんな、うまく言い切ろうとする。馬鹿になりたがらない。ボケたがらない、つっこみに回りたがる。

 

社会とはこういうものだと、すぐに受け入れ解読できる人たちです。

 

けど僕らは作品を作らねば、社会がなんたるかがわからない人たちです。

 

だから、見てもらうしかやっぱり方法がない。

 

そして、多かれ少なかれ、タチビの生徒達もまた、そういった不適合な人種なのかなとも思ってます。

 

不適合者は不適合者で、適合するという性質もあるので、何かしらの化学変化があるだろうし、なければ「ない」という実感だけを持ち帰ってもらえればいい。

 

「ない」事も含めて体験だと思いますしね。

 

 

 

 

 

 

終わったあと、個人的に話しかけてくれる生徒たちもいました。

 

「なんでそんな馬鹿な事、いいとしこいてやってんですか?」

 

と、愚弄される事はなく、安心しています。愚弄してもいいんだどさ。

 

「思ったより、おもしろかったです」

 

だって。なかなかです。

 

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多分彼らよりも、僕らが体験するためにやってきたんだと思う。

結局はそう言うオチになってしまいますね。作り続ける限りはね。

 

 

最後に、このような場を設定してくださった都守先生に、心より感謝もうしあげます。

 

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謝る事が多い君!どげざるのラインスタンプで謝って下さいね!

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