今を論じる父の話。
今週のお題「2017年にやりたいこと」
うちの父親は頭がおかしいです。
子供の頃は気がつかなかったけれど、やっぱり変だと最近よく思います。
最近よくうんこを漏らすし・・・それはまぁ老いの一環ですので父親のおかしさとはまた別の話ですね。
父親はもともと画商をやっており、赤坂なんかにギャラリーを構えていました。一応株式会社を名乗っておりましたが、母親曰くただ名乗っていただけで株式会社でもなんでもないようです。今だと多分そんなことできないんじゃないかと思いますが、つまり社名の中に(株)が含まれていたということです。
とにかく、適当な人間に輪をかけた適当さで、借金まみれで自己破産しました。カードも作れず、年金ももらっていません。
現在は仕事もしておらず、たまにバイトの面接に行くものの受かるはずもなく、交通費だけが積み重なっていきます。
その交通費は誰が払うのかといえば、周りの家族で、「明日面接があるから2000円振り込んでくれ」と頻繁に電話がかかってきます。
たまに受かった日雇いのバイトも、行き先がわからずタクシーで向かい、タクシー代を稼いで帰って来るありさまです。しかも赤字。
究極のポンコツです。ポンコツ百景です。
二度と動かないで欲しくなります。
メデューサとがっつり目があえばいいのに。
まぁそれも元々適当な性格に、老いが乗算されてるというだけの話です。
父親画商で絵を扱う仕事をしていますが、根本的には理系の人間です。
子供のころは算数や数学を教わっていました。しかし体系的に教えて来やがるのでめんどくさかったのを記憶してます。算数や数学なんてやり方です。公式がどうできるのかなんてどうでもいいのです。
かといって科学至上主義とかそういう大槻教授みたいなことはないのです。
UFOや幽霊などオカルトチックなものに傾倒してますし、気功もやってて子供の頃はよく道場に連れて行かれました(父親が気功で何人も飛ばしていたのは衝撃でした)。
まぁ最近の科学というのはそういったものとは分けられない分野に突入しており、文系と理系というのは根元一体となっているわけです。
客観的観測のみでは説明できない領域です。
というのも父親は量子力学を元に考察している論を現在執筆しているのです。
題して『今論』といいます。
実存の本質に迫る内容で、宇宙が意識であることがようやく分かったようです。
あたまがおかしい。
10年以上考え続けていたようで、仕事も家庭もダメにして端から見たら”家のあるホームレス”でしかない存在になったのはこのせいらしいです。
あたまがおかしい。
そしてようやくこの春、この論がある節目を迎えるらしく、まとまりそうな感じであるとの情報が入ってきました。
そこで2017年、自分がやりたいことです。
ズバリ『今論』を本にすること。
内容は専門的で、ちょっと読んでも難しいので売れるような物ではないのですが、父親曰く「自分が生きてきた証」だというので、そこは信じてみようかと思います。
あたまがおかしいとは思いますが、あたまがおかしい人間こそが、この世の中を変えてきたと思うのです。
正直家族みんなは呆れています。
「呆」に似た顔で父親を見てます。
弟が「バーカバーカ、俺の父ちゃんデベソ!」と自虐しながら泣いているのを目撃したこともあります。
実際、父のこの活動について応援してるのは自分だけで、このまま死なせるものあまりに不憫だなぁと最近は思います。
生きるシカバネ状態の父親の最後の誇りとして、偉大なる記憶として、父の考察?を書籍化してあげられたらと思っています。
興味ある方ご一報お待ちしております。
『今論』ってタイトルはいいよね。
「マック安いからよく来るんですよ」