つかの間の休息 シーズン野田
ついつい気になってしまう性分である。
よく「給料日前だから金がない」という輩がいる。
小生、サラリーマンとして働いた事がなく、
給料制度の恩恵にあずかったことのない愚弄人だが、
給料日前だから金がないわけじゃあるまい、
と思ってしまう。
「給料日前にたまたま金がない」
だけの話であって、「給料日前」自体が原因で、金がないわけではない。
これではまるで、給料日前があらぬ誤解を受けているようで少し可哀想ですらある。
牛丼前だから紅ショウガがない。
では筋は通るまい。
バス停前だから、バスが来ないのではない。
「線路沿いがうるさい」のではなく、線路と電車の摩擦がうるさいだけで、
ただ線路に沿っているだけで「線路沿い」は何一つ物音はたてないのと似ている。
だいたい、給料日前でも金があろうとすることはできるはずではないか。
どいつも、給料を貰った直後はなんとなしに、金がたくさんある気がして、ついつい羽振りよく使ってしまうだけで、そのスタートダッシュさえ我慢すれば
「給料前でも金がある」
となるのだ。
いや、それだと、「給料前だから金がない」前提の言い回しになるので、給料前とか関係なく「金がある」と言わねばならないのか。
「…金がある」
つまり、「給料前」という概念そのものを取り除かねば、正確に訂正した事にはならないという、なんともややこしい話になってきやがった…ついに。
それでは多少長いが、
「給料貰ってからけっこう経ったから、今金がないんだよな、それなり使っているから」
にしてはどうだろう。
これだと、
「給料前だからない」というニュアンスは崩れる。
がしかし、
「給料前だから金がない」と言いたい「ウズウズ感」を多少なりとも感じて逆に厭味か。
俺は何を書いているのだろう。