プレミアム牛めし
とある松屋の前を横切った時のこと。
「プレミアム牛めし」を提供しているという張り紙が目に飛び込んできた。
ご飯の代わりに、加山雄三でお馴染みのクラッカー「プレミアム」が粉々になって、敷き詰められている丼なのか?と興味を抱き、詳細を読んでみると
「冷凍寸前の温度で保存した牛肉を使用する事で、風味や鮮度を保ちながら熟成がすすみうまみがました商品です」
と書いてある。
も〜なんだかよくわからないが、加山雄三は一切関係ないようである。
店舗限定、期間限定とのことだ。
しかしまぁ、松屋と吉野家とすき屋があり、チカラ飯があったりする東京の街並。
なぜこんなにも牛丼なのか。松屋は牛めしと呼称するし、そのプライドもよくわからないし、イマイチ、必然を感じない。
ある意味、狂牛病であるといえる程に、日本人は牛を食う民族となった。
そして牛は食われるために、この世に生を受け、気づけばたまねぎと一緒に甘辛く煮られている。
これが、
こうである。
そこに、生前の面影はない。
あるのは、提供側が牛だと言いはる、とある生命体の悲惨な末路であり、最終形態だ。
牛が肉片になる手順をノーカットで目にしたわけではないのに、牛だということにし、それを食する。
だが、そもそも、俺たち牛でなけらばならぬ理由はなんなのか?
丸いリングを付けている、黒くて、大きくてしかも臭い、白い液体を噴射するという、テキスト的に判断すると、概要はただのポコチンだ。
そんなものを、甘辛く煮出し、しかも冷凍寸前の温度で保たれると言う変態プレイまでされる始末。
逆に、牛に対して思う所アリだ。
「もぉ、もぉ」言って、その気じゃねーか。
俺は絶対そんな牛のようになりたくはない。
期間限定、店舗限定という
「今を逃せば一生食べられなくなるぞ。いいのか?」
というパワハラに負けるのも悔しいので、その場をあとにした、、はずだった。
が、気がつけば目の前に例の牛めしが!
しかも卵まで付けてしまっている。。。
その横には、ふつうの牛めしにはおでましにならない代物が。。。
七味か?七味の一味か?
振りかけると、黒い。
どうやら、黒七味だという。
悪者のにおいがプンプンする。
こりゃー食って成敗してやらないとならない。
ムシャムシャ……ん…これは…。
店員さん、おかわり!