さておかれる冗談

脚本家でイラストレーターのシーズン野田が綴る「活字ラジオ」。たまに映画を酷評し気を紛らわす悪趣味を披露してます。http://nigaoolong.com/index.html

酷評シネマ「GODZILLA」

子供の時分、ウルトラセブンに死ぬ程ハマった。


母親が「ウルトラセブン」を「ウルトラマンセブン」と呼称する事に対して、並々ならぬ憤りを感じ、


「は?ウルトラマンセブン?それは仮面ライダーか何かですか?」

 

と捲し立て、数度となく家出した。

それほどまでに、ウルトラ兄弟の中では群を抜いてかっこよかった。

 

今思うと、かっこよさ、というのは外面的なものだけではなく、ただのヒーローものではない人間ドラマがウルトラセブンには内包されていたからかも知れない。
ドラマとして、お話として、一番面白かったのが、セブンだったのではないか、ということだ。

 

もう覚えてないんだけれど、陰湿な印象があるのもそれが理由なのかもしれない。

正直、戦いのシーンになってからはどれもそこまで変わらないからか、バカなアメリカン人の子供のように、チョコバーとハイチュウを握りしめ「イエス!アメージング!」となるようなテンションには、至らなかった。

むしろ、どうせウルトラセブンが勝つんだろう?

と、鼻ほじりながら見ていた記憶がある。

ハラハラすることはなかった。

もちろん、かっこいいし、ああなりたい。3万5000トンもあるの?ようし、食べて食べて食べまくるぞー!
いう大義で肥満児街道まっしぐらになったぐらいだから、冷めて見ていたわけではない。

それよりも、戦闘に至るまでの経緯が好きだったのだろう。

そういえば、スラムダンクも、試合のシーンとか丸っきり読まなず、それよりも普段の日常での出来事、例えばバッシュを買いに行く回とかにシンパシーを感じていた。


とはいえだ。所詮ヒーローものである。

キャラクターへの愛情がないと、見るには耐えないだろう。

あくまでもウルトラセブンのフォルムがすきだったということが、物語に付加価値を与えているのだ。

それに対し、怪獣にはあまり興味がなかった。

彼らのフォルム等どうでもよかった。

あくまでもウルトラマンの相手として不足がなければいいくらいのもので、有名所以外はほとんど覚えていない。


だから、怪獣のみしかでない、ゴジラシリーズに対しては、ほとんど興味が持てなかったと記憶している。

 

え?怪獣の方しかでないの?え?どうするのそれ?映画持つの?大丈夫?

 

と、不安でいっぱいだった。


とはいえ、付き合いで「ゴジラVS○○」とかをよく観に行ってそれなりに楽しんだが、小池と観に行った「ガメラ2」で初めて<映画館で寝る>、という体験をしてからは一切怪獣ものを見る事はなくなった。

映画館で寝る、という贅沢な体験は、子供心に大変傷ついたのである。

もう一生映画館で寝るものか!!

寝るときは最後、死ぬときだ!!

と決意したものの、先日も「her/世界で一つの彼女」を見て、耐えられず寝てしまい、


「1800円で買えるだけのお米を買うべきだったぁぁ…ぬお〜」

と、とんでもない自己嫌悪に陥ったが。


しかし、今回のゴジラは、えらく評判がいいらしい。

ゴジラを出し惜しみして、ストーリーでぐいぐいひっぱるらしい。

ゴジラの迫力が凄いらしい、etc...


先に観に行った、同居人のライスタ角田も

 

 

 

「今回のゴリラは最高だった!」

 

 

 

と興奮していました。

 

ゴジラのことをゴリラと間違えて覚えている彼ですら、サイコーに楽しめる作品なわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

ということで前評判も後押しして、騙されたと思って観に行きました。

 

今回の映画はGODZILLAです。

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すでに、「ゴジラを〜、早くゴジラの姿を〜」というゴジラーで溢れている映画館。

 

 

 

 

 

 

 

とはいえ、自分も早めに行ったので、なんとか、いい席に座れた……と思って安心していたら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:nigaoolong:20140807105512j:plain目の前にハゲラ登場。

 

 

 

この目の前のおしゃれアイコンが気になりすぎて、映画に集中できないのではないか?と、いきなり不安度MAX。

 

映画のフーレムの中に常にハゲラが登場し、ゴジラを威嚇し続けるであろう新たなストーリーを自分の中で処理できるのか???

 

そんな不安を他所に、冒頭は、なかなかぐいぐいと引き込まれました。

外人が描く日本はあいかわらず「タカシ」と「ハヤト」しか存在しないわけですが、そんな事も気にならないくらい、おいおいおい!世界やべーんじゃねーの??

ってなりました。

なんでハリウッドは渡辺謙しか起用しないのか、本当に謎なのですが、始めは博士役としてうまく映画に馴染んでいたように思います。


がしかし………。

 

全然ゴジラがでてこない!!

 

一端映画館をでて本当にゴジラのスクリーンなのか確認しようかと思った程です。

 

 

ようやくゴジラが出て来たと思ったら、相変わらずセンスのない洋物チックな生物がわけからず登場しただけだし、CGをごまかすために全体的に暗めなトーンなため、早くも睡魔が襲ってきました。

どうやら、この洋物生物をどう倒すかが今回の映画のキモなようです。

おそらく、この生物VSゴジラなんだということがわかるまでが、えらい長い。

ようやくゴジラ登場!と思ったら、すぐいなくなるし、出し惜しみしているとは聞いていたけれど、ここまでとは思いませんでした。

ほとんど軍部が慌ててる映像ばかり。

 

「グンブ」ってタイトルにした方がいいよ。

 

 

 

だもんで、睡魔が襲い、途中まで気にならなかったハゲラが急に気になり始め、馴染んでいたかのように思えた渡辺謙もCGか合成かのような違和感を帯び始めました。

 

そもそも渡辺謙は整っているからか、博士に見えないし、逃げまわるようなシーンもあまりないから、荒れ果てたところに出現しても小綺麗にみえるし、毎回突然登場したように見える。

 

一瞬、何かのCMが始まったかと。

 

眼鏡市場のCMが始まったかと。

 

だから出る度に、集中が途切れる。

 

そんなこともあり、中盤から洋物生物をどうやって倒すかっていうどーでもいい作戦会議して、で結局うまくいかなくて、なんだかんだと、洋物生物をやっつけるために、いろいろやっているうちに、

 

 

 

俺がやっつけられちまったよ!

 

 

 

起きたら、ゴジラが大暴れしていたので、

 

大胆な編集が入ったということにして、なんとか寝たと言う事実をなき事にしました。

 

 

ということでこの映画、編集がダイナミックです。

 

 

帰って同居人にこの事を伝えたら

 

「3Dで見ないからだめなんだ」

 

と言われました。

 

 

 

3Dで、グンブの会議見ててもどうなんだろうね。

 

 

 

 

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