酷評シネマ ぴあフィルムフェスティバルに行って来たぞ!!
どうも、殺しの衝動をキャベツの千切りでなんとか押さえているシーズン野田です。
こんなサイコキラーなボクですが、先日PFFに行ってきました。
PFF。
みなさん知ってますか???
ピッチリフィットファット
のことではありません。
もし、そう思ってしまったあなたに、ボクは言いたい。
変人ぶるの疲れません??
PFFとは「ぴあフィルムフェスティバル」のことであり、映画監督の登竜門的コンペティションでございます。
中島哲也に、塚本晋也、福島拓哉に石井裕也と
名前の最後に「や」がつく映画監督のほとんどが、このコンペを通過しており、日本映画界のひとつの権威だといえるでしょう。
このブログの読者の方々には、特攻シネフィル野郎も多いとは思いますので、自明かもしれませんがね。
因みに、僕らもお世話になったことがありまして、カツ丼は出してくれませんでしたが、2回ほど受賞させていただきました。
時同じくしてPFFで受賞した「舟を編む」で大ヒットを記録した石井裕也監督と僕らの差は、なべやかんと鍋の差くらいに開ききってしまったものの、僕らが未だにほそぼそと創作活動にいそしむ事ができるのは、ぴあフィルムフェスティバルでのおかげかもしれません。
我らの、創作の母です。
たまにスカラシップで企画を落とされた事を思い出すと、むしゃくしゃすることもありますが、それも含めて勉強になりました。ああ、思い出したら、むかついてきた。
※スカラシップについての説明は省きます。
そんなことを考えていたら、ちょうど東京国立近代美術館フィルムセンターでPFFの映画祭が催されているという噂を聞きつけたのです。
この映画祭はPFFアワードでノミネートされた選ばれし作品が上映されます。
若い監督たちによる、新しい可能性を秘めた作品の集いです。
もしかしたら、なにか刺激になるかも、パクれるかも!!ということで行ってきました。
監督の話が聞けるのも、PFFならではだったりしますよね!
なんと、今年から監督のサイン会があるという。
監督としての自覚を促す試みだとか。
こういう工夫は面白いし、ボクは好きですねぇ。
ただ、こうまでしないと作家としての自覚が持てない人が多いという現状があるということなのでしょうか。。。そもそも、その自覚は必要なのか?むしろ邪魔なのではないか?という疑問も芽生えなくはないけど、なんでもやってみることはいいことですよね。
さて、自分が鑑賞したパクられ予定のプログラムはこちら。
PFFアワード2015 プログラムA
- 『モラトリアム・カットアップ』
- 『マイフォーム』
- 『ムーンライトハネムーン』
普段劇場で公開されるような商業映画とは違い、荒削りながらも「作りたい」という想いが詰まった作品達。
<共感>する事も多々あり、ボクらのぴあ時代をちょっと思い出したりして、いろんな感情を揺さぶられました。
みんな違ってみんないい!!
という作品群でした。
ただボクが思うに、自主映画ってのは、商業とは違い自由であることを許されている作品だと思うわけです。
自主の先に商業があるというような考え方ではなく、自主映画なりの表現に対するつっこんだ答えを示してほしいわけです。なぜ、いま映画なのか。それがなんなのかわからないけれど、それはただの<共感>ではないんじゃないか。
もっと喜怒哀楽の範疇や人智を超えた、崇高な輝きを、強烈な自己否定あるいは自己肯定を、闇夜に浮かぶ満月のような暗喩を、示唆を、啓示を、慄然とさせる批評性を、冷徹なまでに乾ききった叙事を、冷静と情熱の間を、辻を!江國を!体のありとあらゆる穴から感じたいわけです。
共感されてたまるかこのやろう。そういう気概で、抜群のオリジナリティでどうか自分の存在を脅かして欲しい。
そんな、ギリギリを責めて失敗する、あふれた作家性をもっと見たいなぁと、正直思った次第です。
まぁ、そんなんだと、スカラシップは通らないかもしれないけどね。
※スカラシップについての説明は省きます。
ちゅーことで、作品フィードバック!!
大先輩かつ凡人クリエイターのシーズン野田が、ありがたいお言葉を期間限定でアップします!!天才監督どもよ、刮目せよ!!
PFFアワード2015 プログラムA
…次々に変わる映像メディアの中で20世紀をひきづりながら、アナログにこだわりつづけ、思い出にしがみつづける、時代遅れの男の話。音楽も凝ってて、演出も凝ってて、なんとか飽きさせないように工夫してて、好感度も高い作品。
ただ、飽きさせないようにすると言う手法に前時代的気分を感じ、新鮮さがない。間やリズムもありきたり。まぁまだ、やってみたかった、で成立させる年頃なのだろうが、いずれ壁にぶちあたる。誰にも訪れるその壁の前でどうかめげないで欲しい。自分が何に影響を受けているのか、さらにその先の歴史まで遡るべき。
ラッキーカラーは緑。ラッキー映画は「テラーオブハウス」
- 『マイフォーム』
…絵作りにこだわりを感じ、高い志を感じる。女性が一人しか登場せず、言葉を発する事もない。そのことが画面に緊張感を与えており、別に何が起るわけでもないのだが、飽きずに最後まで見られる。
ボーリングが一体なんなのかよくわからないが、廊下をレーンに見立てる一工夫にセンスを感じます。ただ、ボーリングのオッサンの写真を出し過ぎ。言葉がない分、やや説明的に感じる。ご自分の許容を超える程ではなく、まだ手のうちなので、自分が気持ちよくない事をもっとするべき。
ラッキー芸人はラッキー池田。ラッキー映画は「テラーオブハウス」
…内容も中々つっこんでおり、場内にも笑いが起っていた。役者もまぁまぁがんばってたし、思い返せば印象的なシーンもけっこうあるので、たいしたもんである。次にどんな作品を撮るのか気になるところ。
ただ、まだまだ詰め込みが甘く、ストーリーも練りが足りない。絵作りに疑問がある。まぁそんなことはこの先どうにでもなるんだけど、美意識がもう少しあるとよろしい。
ラッキー男優はチョコボール向井、ラッキー池田は像のジョウロ、ラッキー映画は「テラーオブハウス」
ということで、
若人よ、映画で世界を変えるのだ!!
↑一体誰が得をするのか分からない顔はめパネルなのですが、そもそも顔はめパネル自体誰も得をするような代物ではないので、損得の話は野暮かもしれません。
■9月26日(土)
にがウーロンアワー番外編 もっとよくする会
9月26日に吉祥寺のオンゴーイングさんでやらせていただきます。
30名様限定なので、どうかお早めにご予約をお願いいたします。
不完全な新作達を、はずかしげもなく披露します。
それをみんなでより良くしようという会です。
木戸銭:
1000円(要ワンドリンクオーダー)
19:00開場 19:30開演